医学会誌44-補遺号[S30]
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研究課題名:ミニッツペーパー導入による学修システム構築に関する検討研究代表者:太田 信子(川崎医療福祉大学 医療技術学部感覚矯正学科)【はじめに】ミニッツペーパーは講義最後の1分間に学生が講義のポイントや疑問点を記入して学修行動を管理する。本研究ではミニッツペーパーを用いて学修システム構築を検討した。【対象と方法】失語・高次脳機能障害学の4科目履修者82名に講義終了時、ミニッツペーパー実施と復習課題を提示し、次回復習テストを実施した。ミニッツペーパーの内容は学生の授業態度と理解の程度、講義者の情報の質、進め方など13項目を10件法で評定し、講義のポイントと疑問点等を自由記載した。評価点の経時変化、因子分析、因子に相当する項目と定期試験および復習テストの成績との関連を検討した。なお、本研究は本学倫理委員会の承認(160-050)を得た。【結果】3科目で授業態度の自己評価が上昇した。自由記載は「学生の講義理解」、「復習習慣」、「講義の進め方と内容」に分類された。評価点は講義後半で2因子が抽出された。復習テストの成績は第1因子「講義者の講義内容と進め方」と第2因子「学生の受講」と、定期試験は第2因子と有意な相関が認められた。【考察および結論】ミニッツペーパー実施から学修行動の変容が確認できた。学生が授業内容を理解するプロセスの把握をとおして、講義者は情報量、講義速度の適切性に関する情報が得られた。この情報は授業の進め方に反映され、復習テストを指標として、学生の学びを支援する学修システム構築の可能性が示唆された。研究課題名:スマートデバイスを活用した電子母子健康手帳の開発とその検証研究代表者:谷川 智宏(川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部医療情報学科) 母子健康手帳(以下母子手帳とする)を電子化するさまざまな取り組みが進められている。本研究グループでも妊産婦が日常的に扱っているスマートフォンで動作するアプリとして電子母子手帳の開発を進め、実証実験により検証を行った。 本アプリは、厚生労働省省令様式に従う項目を妊産婦自身で入力、閲覧が可能である。一方で、妊産婦自身が入力する項目以外にも妊婦健診、妊娠中の検査の記録など医療提供者の記入が必要な項目があるが、本アプリでは健診データ等をカルテから取得し、妊産婦の手を煩わすことなくそれらの情報を閲覧可能とした。それらの情報閲覧に加え、スマートフォンで撮影した動画像を取り込めるダイアリー機能や超音波動画の閲覧にも対応した。 さらに、本アプリ検証のため、川崎医科大学附属病院に通院中の妊産婦のうち、利用同意を得られた10名を被験者として実証実験を行った。実施期間は、アプリインストール時から出産時までとした。カルテから取得した検診データ等の登録については、研究環境や機器を熟知した本研究グループのメンバーで行った。 出産後に母子手帳アプリに対する記述式のアンケートを実施した。とくに操作で問題となることはなく、なかでも超音波画像閲覧機能はいつでも誰かに見せることができるため好評を得た。電子母子手帳アプリとして一定の評価は得たが、現状では妊娠から出産までの情報管理にとどまるため、機能拡張が必須である。S81

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