医学会誌44-補遺号[S30]
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29基-81: Erectile dysfunction(ED)に対する水素を用いた酸化ストレス抑制効果の検討研究代表者:藤田 雅一郎(泌尿器科学)【緒言】 EDの原因として、心理的要因等による機能性と血管障害や神経障害などに代表される器質性、もしくは両因子の複合により生じる混合性に分類されるが、血管内皮障害による器質性が大部分を占めている。高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や喫煙は酸化ストレスを増大させることで血管内皮細胞を障害することが報告され、近年、血管内皮障害の初期兆候としてEDが注目されている。 2007年にOhtaらが、水素による抗酸化作用、抗apoptosis作用を報告し、以降、水素による生活習慣病を含めた各種疾患の予防および治療効果が散見される。今回、血管内皮障害に伴うEDに対して、酸化ストレス抑制効果を有する水素を用いて、EDの治療効果を検討する。【対象と方法】①EDモデル動物について EDの発症機序として①内分泌性、②血管性、③神経障害性の3種類の病態が考えられている。各種発症要因モデルとして①糖尿病モデル、②高血圧自然発症ラット、③神経圧迫による神経損傷ラットを使用する。②水素水投与および組織摘出 EDモデル動物に水素水投与群と水素水非投与群に分け一定期間飼育した後、陰茎摘出を行う。③酸化ストレスの変化に関する検討 虚血の代表的markerであるHIF-1α、酸化ストレスの代表markerであるNGF、8-OHdGを用いて、免疫染色による免疫組織学的検討および定量検査(Western blotting法およびELISA法)を用いて生化学的検討を行う。【結果及び今後の展望】 現在上記結果解析中であるが、水素水投与群で酸化ストレスマーカーの低下傾向であり、我々は、水素水がEDにおける治療法になりえると仮説を立てている。S31

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