医学会誌44-補遺号[S30]
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○抄録の並び順は、原則としてポスター展示の並び順となっております。29基-6:ストレス軽減に向けた健診現場での運動指導の検討 研究代表者:藤本 壮八(健康管理学)【背景】特定健診は生活習慣病の対策として行われているが、メンタルヘルスや睡眠について十分な検討や対策は出来ていない。また健診の現場での運動指導がストレスや不眠に対しても有効か言及されてない。我々は「健診現場での生活習慣病に対する運動指導は睡眠障害・ストレスの改善に有効である」との仮説を立て検証のため3つの研究を計画した。【方法】研究1:特定健診受診者で研究参加に同意頂いた方を対象にメンタルヘルスを評価するGHQ-12と睡眠の質を評価するピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)との関連を検討する。研究2:2015年から2016年にかけての特定健診データを解析し、精神的健康度の指標であるWHO-5と生活活動時間の増減との関連を検討。研究3: BMIまたは腹囲が基準値以上の特定健診受診者で研究参加に同意頂いた者を対象に無作為に運動指導群と非指導群に分け、6か月間の運動指導によるメンタルヘルスと睡眠の質及び特定健診項目の影響の検討する(2019年度までの計画)。【結果】研究1:特定健診受診者でGHQ-12とPSQIの相関を認めPSQIの中で特に熟眠感の欠如と日中の眠気との関連が強かった。研究2: 精神的健康度が低いWHO-5のスコア13未満では、生活活動の増加によって有意にWHO-5値が改善した。研究3:本研究は2019年度までの計画で現在行っている。【結語】メンタルヘルスと睡眠は密接に関連し、活動時間を増やす指導によりメンタルヘルスを改善する可能性があり、今後の更なる検討が必要である。29基-94: 心臓のバネタンパク質を介したメカノセンシング機構についての基礎的研究研究代表者:花島 章(生理学1) 心臓は力学的状況に応じて、機能を最適化している。そのため、心臓には力学的情報を感知するメカノセンサーが存在すると考えられるが、その実体はあまり明らかにされていない。本研究では、心臓の弾性を規定する蛋白質であるコネクチンが心臓の収縮弛緩を感知するメカノセンサーとして働いていることを、コネクチンⅠ帯弾性領域全長発現系の構築とメカノセンサー機能解析、コネクチンPEVK領域から放出されるメカニカルシグナル伝達タンパク質の同定と機能解析、コネクチン弾性構造の比較生理学解析によるメカノセンサー部位の同定と心形態・機能との相関解析により解明することを目指した。まず、コネクチンⅠ帯弾性領域全長発現系を構築するために、巨大遺伝子クローニング法を確立し、コネクチン最小のアイソフォーム(16,000bp)のウイルスベクターへのクローニングと心筋細胞への導入に成功した。また、コネクチンPEVK領域から放出されるメカニカルシグナル伝達タンパク質を同定すべく、PEVK領域結合蛋白質の探索を行い、2つの候補を得た。さらに、哺乳類から軟骨魚類までの代表的な動物のコネクチンⅠ帯弾性領域の構造を決定し、心臓構造との比較解析を行い、冠循環の有無でコネクチン弾性領域の長さが異なることを見出した。今後、メカノセンサー部位の同定とメカニカルシグナル伝達蛋白質の解析を進めるとともに、Ⅰ帯弾性領域全長の力学計測を進めていく。― 神経・運動器・生殖・循環 ―S20川 崎 医 学 会 誌

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