医学会誌43-補遺号
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演題名:若手基礎研究者活性化へ -Kawasaki Basic Research Network-発表代表者:長洲 一(Kawasaki Basic Research Network) 医科大学として教育、診療に次ぐ大きな柱として研究がある。基礎研究を行うために必要なものとして、1)アイデア、2)人材、3)資金が挙げられるがその確保は容易ではない。実際全国的に多くの領域で若手研究者が減少しており、日本の世界における研究先進国としての位置付けは下がってきている。このインパクトを大きくScienceやNatureにも取り上げられるほどである。当大学のような医学部においても卒後臨床研修制度の変遷や専門医制度の変更に伴い今後大学院生の減少が予想されている。 また、以前と違い論文化に求められるスピード感、技術的要求は高まっておりこれらを解決するためには共同研究が必須な時代となってきた。 この課題を解決するため2016年度より若手研究者支援チームとしてKawasaki Basic Research Network(KBR Net)を発足させている。大きな目的として共同研究推進と若手研究者のencourageを目的として活動しており、具体的な行動目標としては情報の共有化と顔が見える共同研究の場を提供することにある。 当大学の問題点として大学院生の減少に加え、博士号取得後に基礎研究を継続する人材が不足していることが挙げられる。昨年よりアンケート調査を行いその問題点の抽出を行ってきた。 今回、アンケート結果の抽出とKBR-Netの活動報告、および今後の活動予定について発表し たい。演題名:本学における平成28年度倫理指針適合性調査に向けた事務局の取り組みと課題発表代表者:林 智子(研究支援係)【目的】本学倫理委員会は、年間約500件の新規と計画変更審査を行っている。しかし、専門知識を有する専任教員、CRCは不在で、倫理委員会委員長と研究支援係の職員で対応しており、審査体制に課題が多い。昨年6月に倫理指針適合性調査の対象施設となる連絡があり、体制の見直しと調査後の課題を報告する。【方法】1)他大学の整備状況の情報収集、2)平成26年・27年に倫理審査委員会認定制度で受けた指摘事項の見直し、3)調査対象の研究者および関係教員との協議を行った。【結果】従前の手順書では、指針の内容が明確に反映されておらず、全面的な改訂を行った。ま た、倫理委員会に関する重要な情報の周知不足が問題点として明らかになったため、理解を助けるフローチャートの作成とともに、各診療科に臨床研究適正化担当者の配置、臨床研究・臨床試験適正化推進委員会を新設し、研究の適正執行を確保する体制を整備した。適合性調査の総括は、1)事務系職員が中心の事務局で、研究支援機能を有していない、2)年1回の実施状況報告が遅延気味、3)監査受け入れの手順のみが整備され、内部監査の体制も検討する必要がある、との指摘を受け た。【考察】今回は手順書の整備及び管理体制の構築を中心に行った。今後は専門知識を有する人材の配置が望まれ、業務負担軽減のため倫理審査申請システムの導入が不可欠である。また、研究者に向けてアンケートや意見交換の場を設け、研究者との意思疎通を図るとともに、要望等を検証し、より適切な研究環境の整備に継続して取り組む予定である。S92川 崎 医 学 会 誌
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