医学会誌43-補遺号
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28大-2: 5-アミノレブリン酸(ALA)の急性腎障害(AKI)モデルに対する効果の検討と作用機序の解析研究代表者:柏原 直樹、内田 篤志(組織培養・免疫系分野分子血管・血圧制御学)【背景】5-アミノレブリン酸 (ALA) はミトコンドリアで合成されるアミノ酸であり、虚血再灌流やシスプラチンによる急性腎障害 (AKI) モデルにおいて、生体防御蛋白であるヘムオキシゲナーゼ-1 (HO-1) を誘導し、その抗酸化作用によって腎保護的に働くとされている。ALAが他のAKIモデルにも有効かを検討するため、横紋筋融解症誘発AKIモデルで検討した。【方法】C57BL/6マウスの大腿部にグリセロールを筋注し、横紋筋融解症モデルを作成した。コントロール群、横紋筋融解症 (Rhab) 群、ALA前投与+Rhab群、ALA後投与+Rhab群の4群で検討し た。また、HO-1活性特異的インヒビターである亜鉛プロトポルフィリンIX(ZnppIX)を投与し比較検討した。【結果】Rhab群で認めた腎機能障害、尿細管障害はALAにより改善した。HO-1の発現はRhab群で上昇し、ALAによりさらに増加した。酸化ストレスはALAにより減少していた。HO-1阻害剤を投与してもALAによるこれらのパラメーターの改善は保たれていた。抗酸化遺伝子群の転写制御因子であるNrf2の発現はALAにより上昇していた。【結論】ALAはHO-1のみならず、他のNrf2関連抗酸化因子を介した抗酸化作用により、横紋筋融解症誘発性AKIに対して腎保護的に働くことが示された。S82川 崎 医 学 会 誌
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