医学会誌43-補遺号
84/102

28基-90: 電子媒介(スマートフォン)を用いたPHR (Personal Health Record)としての母子健康手帳の開発と応用研究代表者:下屋 浩一郎(産婦人科学1)【緒言】母子健康手帳は我が国が誇る制度であり、世界最高水準の周産期医療体制の維持に大きく貢献している。母子健康手帳は母の妊娠中の情報から児の成長・成育歴・予防接種歴などの情報が記録され、母から児に受け継がれるPHR(Personal Health Record)としての機能を有している。本研究では、母子健康手帳の電子化を図り、母子健康情報を共有し、親と子の健康管理に大きく寄与するとともに将来のPHR構築の端緒となることを目的としたシステム開発を目指した。【対象と方法】川崎医療福祉大学岡田美保子教授の研究グループと共同して母子健康手帳の情報を電子化するシステム構築を行い、共通基盤パッケージを導入し基本動作を確認する。川崎医科大学附属病院既設のSS-MIX2を用いて、本人による妊婦健康診査情報の閲覧機能の設定と検証を行い、開発したシステムを用いてまず少数例での検証実験を行った。【結果】電子媒介(スマートフォン)のアプリの改善および検証を行い、アプリの構築を行った。さらに、川崎医科大学附属病院既設のSS-MIX2を用いて、本人による妊婦健康診査情報の閲覧機能の設定を確立し、電子媒介上で閲覧可能となるシステムを構築した。平成29年1月から11名を対象とした検証実験を行い、実際の運用が可能であることを確認し、現在使用後の質問票による調査を行っている。【考察】今回の検討をもとにシステムの改良を行うとともに、今後さらなる運用を図っていく必要がある。S80川 崎 医 学 会 誌

元のページ  ../index.html#84

このブックを見る