医学会誌43-補遺号
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28基-46 :破骨細胞分化・骨代謝におけるTankyraseの役割の解明研究代表者:向井 知之(リウマチ・膠原病学)【目的】Tankyraseは、ポリADPリボシル化を介しSH3BP2などの蛋白の分解を誘導する。過去に我々はSH3BP2の機能亢進により破骨細胞分化が亢進することを明らかにしており、Tankyrase阻害剤はSH3BP2の蓄積により破骨細胞分化亢進に関与する可能性がある。本研究ではTankyrase阻害剤の破骨細胞分化への作用およびin vivo投与による骨量への影響について検討した。【方法】野生型マウス骨髄マクロファージ(BMMs)を、Tankyrase阻害剤(IWR-1、G007-LK)存在下でRANKLにて刺激し、破骨細胞分化・機能を評価した。また、7週齢野生型マウスにTankyrase阻害剤を4週間投与し、マイクロCTにて脛骨と腰椎の骨量を解析した。【結果】野生型マウスBMMsにおいて、Tankyrase阻害剤はTRAP陽性多核細胞形成、破骨細胞関連遺伝子発現、吸収活性を有意に亢進した。その機序として、SH3BP2蛋白の増加とSykのリン酸化亢進およびNFATc1の核内移行亢進が示された。野生型マウスに対するTankyrase阻害剤投与に て、脛骨および腰椎ともに海綿骨量が有意に減少した。【結論】Tankyrase阻害剤はSH3BP2発現亢進を介して破骨細胞分化を亢進させ、骨量を減少させ た。Tankyraseは破骨細胞分化の新規調節因子と考えられた。28基-33:全身性エリテマトーデスモデルマウスにおけるアダプター蛋白SH3BP2の役割の解明研究代表者:笹江 友美(リウマチ・膠原病学)【背景・目的】全身性エリテマトーデス(SLE)は多彩な自己抗体を特徴とする自己免疫疾患である。我々はこれまでに関節リウマチモデルマウスの検討で、免疫細胞に発現するアダプター蛋白SH3BP2が自己抗体産生に関与し、関節炎発症を規定することを報告した。しかしSH3BP2の他の自己免疫疾患における役割は明らかでない。今回、SLEモデルマウスの自己免疫現象・臓器病変進展におけるSH3BP2の役割を解析した。【方法】SLEモデルとしてFasの機能喪失変異を持つFaslprマウスを用い、SH3BP2機能獲得変異マウスと交配し二重遺伝子改変マウスを作成した。経時的に尿蛋白を評価し、12か月齢時に免疫担当細胞のsubsetをFlow cytometryで、また血中自己抗体価をELISA法で評価した。また腎臓の病理組織学的解析を行った。【結果】SH3BP2機能獲得変異Faslprマウスでは、SH3BP2野生型のFaslprマウスと比較して、蛋白尿が減少し腎硬化所見も軽快していた。さらに、SH3BP2変異により、SH3BP2野生型Faslprマウスでみられた血中抗dsDNA抗体価上昇・自己反応性T細胞数増加は有意に軽減していた。【結語】SH3BP2機能獲得変異はFaslprマウスの自己抗体産生を低下させ腎病変を改善させた。 現在、SH3BP2機能獲得変異の病態改善機序について解析を進めている。S73
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