医学会誌43-補遺号
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28基-106: デジタルモニタリング式胸腔ドレナージシステム(Thopaz)を応用した肺切除術後のエアリークの定量的評価と、肺瘻閉鎖のための至適胸腔内圧設定に関する検討研究代表者:最相 晋輔(呼吸器外科学) 肺切除術後の適切な胸腔ドレナージ管理は周術期管理において非常に重要である。近年、胸腔内圧を一定に保つという新たな概念に基づくデジタルモニタリング式胸腔ドレナージシステム(Thopaz)が臨床応用されるようになった。従来の低圧持続吸引管理と比較した多施設共同無作為化比較試験(C Pompili et al. ATS 2014)ではドレナージ期間や入院期間の短縮等の有用性が示され、欧米では標準的な胸腔ドレーン管理となっている。 当施設においては2014年8月からThopazを導入しているが、従来から使用している電動式低圧持続吸引システム(メラサキューム)との後方視的観察研究を行っている。 結果①;Thopaz例とメラサキューム例で術後ドレーン留置期間の比較検討を行ったところ、Thopaz群;5.1±2.9日、メラサキューム群;6.3±5.2日で、Thopaz群で術後ドレーンがより早期に抜去可能となる傾向がみられた(p=0.078)。 結果②;肺切除後の胸腔内free spaceは切除肺の容量に依存することから、肺切除量とThopazによる胸腔内圧の設定と、術後のドレーン留置期間や気漏量、肺瘻遷延(気漏が1週間以上が持続すること)との相関を検討したところ、最大気漏量は肺切除量と相関しないが(345mL/min vs. 231mL/min vs. 232 mL/min.)、胸腔内設定圧と遷延性肺瘻合併頻度は、2区域以下の切除では差はなかったが、切除肺の容量が大きいほど胸腔内圧を高く(≧10cmH2O)設定するほど遷延性肺瘻の合併頻度は少なくなる傾向がみられた(3~4区域の切除;p=0.088、5区域以上の切除;p=0.058)。S35
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