医学会誌43-補遺号
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28基-15:ライディッヒ細胞の分化を制御するエピジェネティックメカニズムの解明研究代表者:嶋 雄一(解剖学) 有胎盤類では、胎仔期のライディッヒ細胞(胎仔ライディッヒ細胞)と思春期以降に出現するライディッヒ細胞(成獣ライディッヒ細胞)では、形態や機能が異なることが報告されている。 本研究では、ライディッヒ細胞の分化を制御するAd4BP/SF-1に着目し、ゲノム編集技術を用い て、Ad4BP/SF-1遺伝子上流の胎仔ライディッヒ細胞エンハンサー(Fetal Leydig Enhancer,FLE)を欠損するマウス(FLE欠損マウス)を作出した。FLE欠損マウスでは、胎齢18.5日の精巣に胎仔ライディッヒ細胞が全く存在せず、FLEは胎仔ライディッヒ細胞の機能分化に必須であることが確認された。また、生後8週齢の精巣にもライディッヒ細胞が全く存在しなかったことから、FLEは成獣ライディッヒ細胞におけるAd4BP/SF-1の発現にも必要であることが示唆された。一方、過去の報告から、FLE単独では成獣ライディッヒ細胞における遺伝子発現を誘導する十分な活性がないことが明らかにされている。 以上の結果から、成獣ライディッヒ細胞におけるAd4BP/SF-1の発現には、FLEに加えて未同定のエンハンサー領域が必要であると推測された。この仮説に基づき、現在Ad4BP/SF-1遺伝子周辺の領域を対象として、それぞれの領域を欠損するマウスを作出することにより、各領域の機能解析を行っている。S29
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