医学会誌43-補遺号
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28基-5:遺伝性感覚失調性ニューロパチーの全エクソーム解析による原因遺伝子の探索研究代表者:村上 龍文(神経内科学)【目的】われわれはこれまで下肢近位筋の筋力低下を伴った遺伝性感覚失調症1家系3例を見いだし臨床像を明らかにしてきた。発端者の両親はいとこ婚で、兄弟3例とも40歳代に感覚性失調歩行で発症し、その後下肢近位筋の筋力低下が出現している。3例とも神経伝導検査ではaxonal neuropathy、針筋電図では脱神経と神経再支配の所見を認めmultiple MUAPsが特徴的で、下肢S-SEPではN21-P38の著しい遅延ないし導出不可を呈していた。以上から末梢感覚神経、後根神経 節、脊髄後索、脊髄前角細胞が責任病巣と推定された。そこで原因遺伝子解明のために全エクソーム解析を施行した。 【方法】まず家系内の2名の患者で、ゲノムワイドなエクソーム解析を行う。次に遺伝形式では常染色体劣性遺伝が想定されるのでホモ接合体マッピングを施行し、両者に共通のホモ接合体遺伝子変異を同定する。さらに家系内の健常者と他の患者でこの遺伝子変異の疾患への連鎖を確かめる。【結果】両患者に共通のホモ接合体遺伝子変異が染色体4番の遺伝子X(c.271T>C,p.Y91H)に見いだされた。無症候の弟と両親はこの変異のヘテロ接合体であった。このアミノ酸変異部位は種を超えて保存されていた。【考察】遺伝子Xがコードしている蛋白Xはセリンプロテアーゼと推定されるが機能は不明で、疾患の原因かはさらに検討が必要である。S27
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