医学会誌42-補遺号
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27ス-4:Conventional TACEとdrug eluting beads TACEの比較検討研究代表者:富山 恭行(肝胆膵内科学)【目的】過去のレトロスペクティブコホート研究において、肝細胞癌(HCC)に対するリピオドール併用肝動脈化学塞栓療法(TACE)、いわゆるconventional TACE(cTACE)不応例に対するソラフェニブの有用性が示唆されている。cTACE不応例におけるcTACE継続はHCC患者に不利益を及ぼす可能性が高い一方で、近年本邦でも普及しつつあるdrug eluting beadを用いたTACE(DEB-TACE)の是非は明らかにされていない。今回われわれはcTACE不応例におけるDEB-TACEとソラフェニブの有用性を比較検討する。【方法】2009年1月から2015年12月の期間に、cTACE不応の基準を満たした94例のうち、Child B/C、肝外転移例、動注療法移行例、BSC例を除外した33例を対象とした。そのうちDEB-TACEに移行し治療を繰り返した12例(DEB群)とソラフェニブに移行した21例(SF群)の2群に分類し、治療効果、全生存期間(OS)、無増悪期間(TTP)、Child Bに移行するまでの期間を比較検討した。【成績】両群間の背景因子に有意差は認めなかった。DEB群とSF群の治療効果判定は、それぞれCR/PR/SD/PDが2/3/4/3と0/1/11/9、奏効率が41.6%と4.8%、病勢制御率が75.0%と57.1%であり、DEB群が有意に良好であった。OS中央値は15.8ヶ月と12.1ヶ月、TTP中央値は3.7ヶ月と3.4ヶ月であり、両群間に有意差は認めなかった.観察期間内にChild Bに移行したのはDEB群で1例(8%)、SF群で8例(38%)であり、Child Bに移行するまでの期間はDEB群が有意に良好であった。【結語】cTACE不応例におけるDEB-TACEは、ソラフェニブ導入までのbridging therapyになり得る可能性が示唆された。27基-27:局所浸潤肺癌におけるXAGE1(GAGED2a)抗原と予後との関係 研究代表者:阿部 公亮(呼吸器内科学)【背景】XAGE1(GAGED2a)は、肺腺癌に特異的に発現するがん精巣抗原であり、進行期肺腺癌の約40%にその発現を認める。進行期肺腺癌患者で、その自然経過中にXAGE1(GAGED2a)に対する抗原特異的な自己抗体は、抗原陽性者の半分である約20%に認め、抗体陽性者からはXAGE1(GAGED2a)抗原特異的なCD4およびCD8 T細胞が存在することが明らかになった。さらに、XAGE1(GAGED2a)免疫を有する進行期肺腺癌は、XAGE1(GAGED2a)免疫を有しない患者に比べ予後が延長することも明らかとなった。一方で早期肺腺癌および局所浸潤肺腺癌では、XAGE1(GAGED2a)抗原に対するでも抗体反応は約5%にしか認めず、予後についても明らかになっていない。【方法と対象】病理学的病期1期のStudyコホート62例、Validationコホート68例を用い、XAGE1(GAGED2a)抗原を免疫組織学的染色法で解析し、予後との相関を検討した。【結果】Studyコホートで、XAGE1(GAGED2a)抗原陽性は16/62(25.8%)であり、Validationコホートでは、18/68(26.5%)であった。XAGE1(GAGED2a)抗原陽性患者は陰性患者に比べStudyコホート(p=0.01、HR:5.3)、Validationコホート(p=0.04、HR:6.9)ともに予後不良であった。さらに、Validationコホートでは、XAGE1(GAGED2a)抗原陽性患者は陰性患者に比べ無病期間の短縮が認められた(p=0.001、HR:6.6)(5年無再発率:61.1% v.s. 93.2%)。【結論】早期肺腺癌で、XAGE1(GAGED2a)抗原は予後不良因子であり、進行期肺腺癌と同様にXAGE1(GAGED2a)抗原とその免疫応答の重要性が二つのコホートによって示された。S59

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