医学会誌42-補遺号
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27基-49:冠血流予備量比(FFR)計測に及ぼす使用薬剤の影響の検討研究代表者:根石 陽二(循環器内科学)【背景】現在の臨床で一般的に冠動脈の機能的狭窄度を評価する方法として冠血流予備量比(FFR)が用いられている。FFR測定時の冠微小血管の拡張にはアデノシン三リン酸(ATP)持続静注やパパベリンの冠動脈注入が用いられている。近年、ニコランジル冠動脈注入によりこれらの薬剤と同等の効果が得られるとの報告がなされている。ATPとニコランジルは作用機序が異なるため、両者の併用により、冠微小血管のさらなる拡張が得られる可能性がある。【目的】本研究の目的は、FFRを測定する際にATP持続静注に加えにニコランジルを追加冠注することによりFFR値が変動し治療方針に影響を及ぼすか否かについて明らかにすることである。【方法】対象は冠動脈に中等度狭窄病変を有する虚血性心疾患113症例(131病変)である。対象血管に対してPressureWire Certus(SJM)を用いてFFRを測定した。最初にATP(150μg/kg/ml)持続静注下でFFRを測定し、引き続きニコランジル(2mg 冠注) を追加投与後に再度FFRを測定した。【結果】全体では、ATP持続静注時のFFRとニコランジル追加投与後のFFRには有意差を認めなかった (0.85 ± 0.09 vs. 0.83 ± 0.09, P=NS)。ATP投与時にFFRが0.8以上であった101病変中、ニコランジル追加投与後に13病変(13%) でFFRが0.8未満となった。【結語】ATP持続静注にニコランジル冠注を追加することによって、FFR値がさらに低下する例が存在し、このことが中等度狭窄病変の治療方針に影響を及ぼす可能性がある。27基-12:超音波造影剤を用いた造影頸部血管エコーによるステント内血栓症評価研究代表者:植村 順一(脳卒中医学)【背景】頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術(Carotid artery stenting:CAS)の治療症例数は増加している。CAS後のステント内血栓症は比較的稀な合併症であるが、ひとたび発症すると脳塞栓症や急性閉塞を来たし予後不良となるため、術後評価は重要である。評価時に頸部血管エコーは簡便・無侵襲で有用であるが、血栓サイズが小さい場合や低輝度の場合あるいはステント内乱流の影響で良好な画像が得られない場合は診断困難である。【目的】本研究の目的は造影頸部血管エコーを用いて、ステント内血栓およびプラークprotrusion評価を行うことである。【対象、方法】対象は頸動脈ステント術施行患者5例5血管である。対象に対して、通常の頸部血管エコーと造影頸部血管エコーを行った。造影剤はソナゾイド(第一三共)を使用した。(川崎医科大学倫理委員会承認済)【結果】5例全例で良好に観察できた。2例(40%)で通常の頸部血管エコーでは描出されなかったステント内プラークprotrusionを認めた。ステント内血栓を認めた症例はなかった。【結語】造影頸部血管エコーを用いることで、通常の頸部血管エコーでは評価困難だったステント内プラークprotrusionを評価できた。さらなる症例の蓄積を行っていく。S35

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