医学会誌 第41巻 補遺号
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26挑-6: 2型糖尿病患者におけるエイコサペンタエン酸/アラキドン酸比と動脈硬化性疾患との関連に関する探索研究代表者:亀井 信二(糖尿病・代謝・内分泌内科学)【背景】我国での大規模臨床試験にてイコサペント酸(eicosapentaenoic acid;EPA)は心血管イベント抑制作用を示し、血漿EPAとアラキドン酸(arachidonic acid;AA)の比(EPA/AA比)は冠動脈疾患の二次予防での優れたサロゲートマーカーとなっている。一般に2型糖尿病ではEPA/AA比が低値となることが知られているが、動脈硬化指標との関連など不明な点が多い。【目的】2型糖尿病(T2DM)患者の、各種動脈硬化指標とEPA/AA比との関連を検討。【対象】入院患者191例(M105)(コホート1)および当科外来T2DM 243例(M128)(コホート2)の2コホートで、前者は各種動脈硬化指標とEPA/AA比の関連を、後者は年度毎のEPA/AA比の推移と糖尿病管理指標との関連を検討した。【結果・考察】コホート1ではEPA/AA 比0.38±0.18は年齢と有意な正相関を示した。各種動脈硬化指標との関連は認められず、EPA/AA 比が独立した動脈硬化指標である可能性が示唆された。コホート2ではEPA/AA比0.43 ± 0.25 であり年間での有意な変化を認めなかった。EPA/AA比は年齢と正相関が認められ、魚摂取量との有意な相関がみられた。スタチン内服患者ではEPA/AA 比が有意に低値でありスタチンよる不飽和化酵素の活性化に留意すべきと考えられた。26挑-2:肥満糖尿病モデルdb/dbマウスにみられる膵β細胞機能不全の分子基盤解明研究代表者:下田 将司(糖尿病・代謝・内分泌内科学)【背景・目的】レプチンシグナル異常により著明なインスリン抵抗性を示すdb/db,ob/obマウスであるが,db/dbマウスでよりβ細胞機能障害は進展しやすい。 両マウスを比較し,db/dbマウスのβ細胞機能障害の分子機構を解明する。 【方法】雄性6週齢db/db,ob/obマウスと,対照として正常血糖モデルm/mマウスを用い,膵島切片での組織学的検討,単離した膵島を用いた生理学的検討および遺伝子解析を施行した。【結果】β細胞量・機能は全群同等であった。 cDNA microarrayおよびrealtime RT-PCRにより各マウス間で膵島内遺伝子発現を比較したところ,分化,増殖,アポトーシス,線維化抑制関連遺伝子の発現は全群で差はなかったが,db/dbではサイトカイン,線維化促進関連遺伝子の発現が他群に比し増加し,組織学的にも顕著な膵島線維化,マクロファージ浸潤が確認された。 short-form leptin receptor(Ob-Rs)は全マウス膵島に発現し,db/dbの膵島においてもレプチン濃度依存性のサイトカイン遺伝子発現増加を確認した。 β細胞のphospho-p38MAPK,-JNK陽性率は,ob/obに比しdb/dbで高かった。 【結論】db/dbマウスのβ細胞機能障害の進展には,Ob-Rsを介したp38MAPK,JNKの活性化による膵島の炎症,線維化が関与することが示唆された。S43
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