医学会誌 第41巻 補遺号
45/90

26基-94: 岡山県下における透析導入患者の心血管イベント、バスキュラ・アクセス不全の前向き観察研究研究代表者:春名 克祐(腎臓・高血圧内科学) 本邦における維持透析患者数は30万人を超え、その数は年々増加の一途をたどっている。しかし、維持透析患者の死亡原因の約4割が心血管イベントによるものである。そのため、維持透析導入早期の心血管イベント発症を詳細に調査することにより、その実態を把握し、透析患者の治療に資することが期待される。 岡山県内においては、現在4,546名の維持透析患者がおり、新規導入は年間500名以上である。しかしながらこれまで詳細な調査が行われたことはなかった。 本研究の目的は、岡山県内の25施設で新規に透析導入を行った患者を追跡調査することにより、維持血液透析導入前の腎不全保存期および導入時における管理状況と、導入早期における死亡、心血管イベント、バスキュラーアクセス不全発症との関連について検討することである。また、維持透析患者の重要な問題として、バスキュラーアクセスの管理が挙げられ、バスキュラーアクセスの長期開存、良好な透析効率が維持透析患者の生命予後にも関連するとの報告もある。本研究により得られた知見を、腎不全保存期および血液透析導入時の管理に反映させることができれば、維持血液透析期における予後改善につながるものと期待される。今回追跡調査開始後2年の経過報告を行う。S41

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です