医学会誌 第41巻 補遺号
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26基-51:水痘ワクチン接種後のT細胞およびB細胞の免疫獲得について研究代表者:寺田 喜平(小児科学)【目的】水痘ワクチン接種後、抗体および細胞性免疫の変化を観察し、ワクチン接種後に軽症水痘(breakthrough)が発症する基礎的機序を解明したので報告する。【対象と方法】倫理委員会の承認を得てボランティアを募集、VZV-IgG抗体(-)27名、(±)41名を対象にした。水痘ワクチン接種前後で抗体とinterferon-gamma (IFN) release assayによってCMIを測定した。またコントロールとしてIgG抗体陽性者28名でCMIを測定した。【結果】ワクチン接種前のVZV-IgG抗体(-)、(±)、(+)群におけるCMI陽性率はそれぞれ3.7%、41.5%、96.4%であった。ワクチン接種後IgG抗体(±)群は(-)群よりIgG抗体価は有意に高値となった。また接種後にIgG抗体(±)群はCMI(+)78%、(±)7%、(-)15%、抗体(-)群はCMI(+)52%、(±)30%、(-)19%になった。対象を接種前のCMIで分けてみると、CMI(+)群は(-)群より接種後IgG抗体価とIFN値が有意に高値となった。またCMI(+)群ではIgG抗体は100%陽性となったが、(-)群では61%であった。さらに対象を既往歴あり、接種歴あり、どちらもなしで分けてみると、接種後IgG抗体陰性率はそれぞれ0%、0%、14.2%であったが、CMI陰性率は6.7%、21.7%、21.4%であった。【考察】このCMIはCD4+ memory T cellsによるeffector反応を観察している。CMIの測定や接種歴や既往歴からワクチン接種後のIgG抗体などの変化が予測できると考えられた。ワクチン接種後もCMIができなかった群ではbreakthroughを起こす可能性があると考えられた。S20川 崎 医 学 会 誌

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