医学会誌 第40巻 補遺号
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25大-7:抗CCR4抗体を用いた制御性T細胞除去による腫瘍免疫増強研究代表者:岡 三喜男、黒瀬 浩史(呼吸器内科学)【背景】腫瘍局所に存在する制御性T細胞(Treg)は抗腫瘍免疫を抑制する。CCR4は特にTregに発現するため、抗ヒトCCR4抗体(KM2760)によりCCR4陽性Tregを除去可能である。今回、肺癌局所CCR4陽性Tregを解析し、KM2760によるTreg除去効果を検討した。【方法】肺癌TILのTreg分画(CD45RA+Foxp3lo resting Treg (Fr1)、CD45RA-Foxp3hi activated Treg (Fr2)、CD45RA-Foxp3lo non Treg (Fr3))をFACS、免疫染色で解析した。健常人PBMCを用い、KM2760処理T細胞の遊走阻害効果、T細胞分裂抑制解除効果をEZ-TAXIScan、FACSで解析した。【結果】肺癌患者(n=20)のCD4 T細胞中Treg分画(Fr1、Fr2、Fr3)は末梢血で0.6%、1.6%、4.1%、TILで0.5%、9.9%、9.8%であり、Fr2でCCR4高発現を認めた。肺癌組織(n=384)の免疫染色で、TILのCCR4は199例(51.8%)陽性で、CD163陽性マクロファージのCCL22と相関を認めた。健常人のCCR4陽性Treg除去による遊走阻害効果、およびT細胞分裂抑制解除効果を認めた。【結論】肺癌においてKM2760は効果的な抗腫瘍免疫を誘導する可能性がある。25大-6:産後うつと母子愛着、女性性機能に及ぼす影響についての解析研究代表者:下屋 浩一郎、宋 美玄(産婦人科学1)【目的】分娩様式などの諸要素とストレスホルモンが母子愛着、産後うつおよび産後の性機能にどのような影響を与えるかを検証する。【方法】2011年11月から当院および関連施設で出産した母親のうち研究協力に同意した者に対し、産後6か月で質問票(基本情報、GHQ-28包括的健康度評価法、エジンバラ産後うつ病評価尺度(EPDS)、赤ちゃんへの気持ち質問票(MIBS)、SFQ28性機能質問票)を郵送し、無記名で回収した。本研究は倫理委員会の承認を得て行った。【成績】438例(回収率約65%)、年齢19-45(平均33.3±4.1)歳、初産87人(59.2%)、出生体重1,900-4,150(平均3,025±448)g、妊娠週数すべて37-41週、分娩様式は自然経膣分娩64%、誘発・促進分娩19%、機械分娩5%、予定帝王切開5%、緊急帝王切開6%。経膣分娩のうち切開・裂傷なし25%、会陰切開28%、会陰裂傷47%。年齢と子供の数、子供の数とMIBS、EPDSとMIBS、EPDSとGHQ28スコアに統計学的相関関係が見られた。会陰切開群は裂傷切開なし群に比べてSFQ28のsensation、orgasmのドメインのスコアが低かった。機械分娩群は正常経膣分娩群に比べてpainのドメインのスコアが低かった。予定帝王切開群はそれ以外の分娩様式群に比べてMIBSが悪かった。【結論】GHQ28とEPDS、EPDSとMIBS、EPDS・MIBSと性機能のパートナーのドメインとの間に有意な相関が認められた。会陰に創傷が存在すること、機械分娩が性機能に負の影響を与えることが明らかとなった。S77

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