医学会誌 第40巻 補遺号
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25基-4:Myocardial bridgeの近位冠動脈粥腫の不安定化への影響:IVUS, OCTを用いた検討研究代表者:山田 亮太郎(循環器内科学) Myocardial bridge(MB)は左冠状動脈前下行枝(LAD)を一部被覆し、血流障害によりMB近位部の動脈硬化が惹起される。MBの動脈硬化進展に関与する解剖学的特徴は未だ議論が分かれるが、MBにおけるaortic compressionはMB近位部の冠動脈粥腫形成に関与しており、強いaortic compressionを伴うMB症例は、若年で冠危険因子が少ない場合でも慎重なフォローが必要と考えられる。 症例は有意な冠危険因子を有さない、閉経直後の52歳女性。間歇的な前胸部絞扼感を主訴に20XX年1月X日に救急外来を受診。緊急冠動脈造影を施行されるも有意な狭窄は認めなかった。2月X日に繰り返す胸痛を主訴に外来を再診され、採血検査で軽度トロポニンの上昇を認め緊急カテとなった。冠動脈造影でplaque ruptureを伴う中等度の狭窄をLAD proximal to midに認め、血管内超音波(IVUS)上でaortic compressionを有するMBと近傍約15mmに一部ruptureを伴うeccentricな不安定プラークを認めた。IVUSは冠動脈造影で検出が困難な弱いaortic compressionを伴うMBの同定が可能であり、MB近位部で惹起された動脈硬化性病変がMBの影響で不安定化することを生体内で診断することが可能であると予想された。25基-57: 冠動脈インターベンション時の血管内超音波所見と慢性期冠動脈形態変化との関連性の検討研究代表者:根石 陽二(循環器内科学)背景:責任病変への経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の慢性期に、その末梢の血管径が拡大する例がある。冠攣縮時に血管内超音波(IVUS)で中膜の内腔側に高輝度の帯(peri-medial high-echoic band: PHB)を認め、これは病理学的には冠攣縮時に認められる内弾性板のしわに相当すると考えられる。目的: PCI後、慢性期の責任病変末梢部の血管径拡大のIVUSによる予測因子を明らかにすること。対象:IVUSガイド下に高度狭窄病変に対してPCIを施行した27症例を対象とした。方法:責任病変に対してPCIを施行した後に、責任病変の末梢部をIVUSで観察し、PHBの有無、external elastic membrane cross sectional area (EEM CSA)、lumen CSA、plaque + media CSA、plaque burdenを計測した。ステント留置直後と慢性期の冠動脈造影から内腔径(LD)を計測した。慢性期に血管径が拡大した例をlate lumen gain (LLG) 群として、拡大しなかった例(非LLG群)と比較することによって、その予測因子を検討した。結果:LLG群(16例、59% )では、非LLG群に比べて、高率にPHBを認めた(88% vs. 18%, P=0.007)。LLG群ではLumen CSAは小さく(P=0.07)、plaque burdenは大きい傾向にあった(P=0.08)。多変量解析ではPHBはLLGの独立した予測因子であった (OR: 15.26, p=0.042)。結語: PCI後に責任病変の末梢にIVUSで認める中膜内腔側の高輝度の帯は、慢性期の血管径拡大の予測因子となりうる。S40川 崎 医 学 会 誌

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