医学会誌 第40巻 補遺号
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25基-10:血管内イメージングを用いた不安定プラークの診断と予後について研究代表者:久米 輝善(循環器内科学)目的:Vasa vasorum (VV)はプラークの不安定性を示唆する特徴の一つである。本研究の目的は、血管内超音波法(intravascular ultrasound, IVUS)を用いて冠動脈のVVを検出し、急性冠症候群(acute coronary syndrome, ACS)と安定狭心症(stable angina pectoris, SAP)の間で、VVの頻度に差があるかどうか検討することである。方法:左前下行枝にステント留置術を施行した130例(ACS75例、SAP55例)、130病変を対象とした。ステント留置前にIVUSを施行し、責任病変部と近位、遠位対照部におけるVVの頻度と最大VV数を検討した。IVUSでプラーク周囲に低エコーの管状構造物が連続3断面以上に認められた場合をVVと定義した。結果: 130責任病変中124病変(95%)でVVを検出可能であった。ACS症例において責任病変のリモデリングインデックスがSAP症例と比較して有意に高値であった(1.00±0.21vs. 0.92±0.19, p=0.028)。ACS症例では、SAP症例よりも最大VV数が有意に多かった (2.8±1.3 vs. 1.8±1.0, p<0.001)。結論: ACSでは、SAPと比較しリモデリングインデックスが高値であるのみならず、VVが多い。冠動脈プラーク周囲のVVによりプラークの不安定性を評価できる可能性が示唆された。25基-103:冠動脈CTでの不安定プラークの定量的評価法の確立研究代表者:比賀 冨貴(循環器内科学)【背景】64列multi-detector (MD)CTによる冠動脈狭窄の診断は、高い陰性適中率を有することが知られているが、その陽性適中率はかならずしも高くない。【目的】本研究の目的は、MDCTでの冠動脈プラーク性状分析が冠動脈狭窄診断に与える影響について明らかにすることである。【方法】MDCTと冠動脈造影を施行した連続25例を対象とした。MDCTで径狭窄率50%以上の病変を有意狭窄とした。病変を石灰化プラーク・非石灰化プラーク・混合型・非プラーク病変の4つに分類した。石灰化プラークは50%以上を石灰化(CT値130HU以上)が占める病変と定義し、非石灰化病変は石灰化を含まない病変と定義した。混合型はプラークに50%未満の石灰化を含む病変と定義し、非プラーク病変はプラーク面積率(=100x [プラーク面積] / [血管面積])が40%未満の病変と定義した。【結果】59病変が、MDCTにより有意狭窄と判断された。そのうち32病変が冠動脈造影で有意狭窄であることが確認された(陽性的中率64%)。病変性状別の陽性適中率は石灰化プラーク33.3%、非石灰化プラーク91.7%、非プラーク病変56.2%、混合型で50%であった。【考察】MDCTによる冠動脈狭窄の陽性的中率は、プラーク性状の影響を受ける。石灰化病変や非プラーク病変の診断には、他の検査による虚血の評価が必要であると考えられた。S39
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