医学会誌 第40巻 補遺号
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25ス-1:出血性脳障害後の細胞障害における新規薬剤(2C1-C.OXT-A)の効果の検討研究代表者:陸 豊(生理学2)【背景】2Cl-C.OXT-A(COA-Cl)はアデノシン類似体の新規低分子化合物であり、血管新生促進作用や脳梗塞に対して神経細胞保護作用が報告されている。本研究では、ラット脳出血モデルに対するCOA-Clの神経細胞保護作用とそのメカニズムについて検討した。【方法】ラットの線条体内に、大腿動脈から採取した100μLの自家血を注入して、脳出血モデルを作成した。COA-Clは自家血注入10分後に脳室内に投与した(30μg/kg)。運動機能は、body swing test, corner turn testおよびforelimb placing testにより、モデル作製24時間後に評価した。機能評価後に脳を取り出し、脳水分量を測定することで脳浮腫の程度を判定した。さらに、免疫染色により、COA-Clの抗酸化および抗アポトーシス作用を調べた。【結果】COA-Clは脳出血急性期の脳浮腫を軽減し、アポトーシス陽性細胞の数を有意に減少させた。また、脳出血による運動機能障害を軽減した。さらに、COA-Cl 投与群では非投与群に比べてDNA酸化のマーカーである8-OHdG陽性細胞数が有意に少なかった。【結論】以上のことより、COA-Clは脳出血による機能障害や細胞死を軽減し、この機序として抗酸化や抗アポトーシス作用が重要であることが示唆された。今後、さらに分子レベルでの作用機序について検討していく予定である。S31
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