医学会誌 第40巻 補遺号
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25基-67:制御性T細胞調節因子とサイトカイン産生に対するアスベスト曝露の影響研究代表者:松㟢 秀紀(衛生学) アスベストは肺がんや悪性中皮腫を誘導することが知られている。衛生学教室ではアスベストが正常細胞のがん化を誘導するのみならず、制御性T細胞を介して腫瘍免疫を減弱し、がんの発生を促進することを提唱しており、これまでに制御性T細胞のモデル細胞株MT-2を用いて低濃度のアスベストの継続暴露がMT-2細胞のIL-10やTGFβなどの抑制性サイトカインの産生量を増加させること、アスベスト継続曝露MT-2細胞では制御性T細胞の分化に必須の転写因子であるFoxP3の発現が低下していることを見いだしている。そこで、本研究ではアスベスト曝露により誘導される制御性T細胞機能の増強のメカニズムを明らかにすることを目的として制御性T細胞の機能分化の調節因子群の発現を定量RT-PCR法により検討した。その結果、MT-2親細胞では転写因子GATA-1の発現量は検出感度以下であるのに対し、アスベスト長期曝露細胞群では顕著に発現が亢進していることが明らかとなった。GATA-1はFoxP3と協調して制御性T細胞分化を誘導すると考えられており、GATA-1の高発現により制御性T細胞への分化することが示されている。これらの結果から、アスベスト曝露がMT-2細胞のGATA-1の発現上昇を介してサイトカイン産生を亢進する可能性が示された。S18川 崎 医 学 会 誌

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