川崎医学会誌39-2
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24基-6:気管支喘息の急性増悪予防薬の開発:ダニ抗原誘発マウス喘息モデルにおける基礎的研究研究代表者:加藤 茂樹(呼吸器内科学)【目的】喘息治療における問題点として気道感染による慢性喘息の急性増悪が存在する。今回は昨年の本研究課題において作成したダニ抗原誘発マウス慢性喘息の急性増悪モデルを用いてガレクチン9(Gal-9)の急性増悪抑制効果について検討する。【方法】ダニ抗原誘発マウス慢性喘息モデルに抗原とウイルス感染の代用としてのpolyI:Cを経気道的に投与し、24時間後に気道抵抗の測定及び気管支肺胞洗浄を行い、気道過敏性及び気道炎症を評価した。さらにpolyI:C投与の24時間前にGal-9を経鼻的に投与しておき、気道過敏性及び気道炎症に及ぼす影響を検討した。【結果】本慢性喘息モデルにおいて抗原+poly:IC投与群では抗原単独投与群に比して気道過敏性の亢進及びこれに関与するBAL中サイトカイン(IFN-γ、TNF-α、RANTES)とGal-9濃度の上昇を認めた。一方、Gal-9の前投与によりpoly:ICによる気道過敏性の亢進は抑制され、これらのサイトカイン濃度の上昇も抑制された。さらにGal-9は、poly:IC刺激により肺胞マクロファージから産生されるこれらのサイトカインをTim-3依存性に抑制した。【考察】 Gal-9は、ダニ抗原誘発マウス慢性喘息の急性増悪モデルにおいてpoly:ICにより誘導される気道過敏性の亢進を抑制しことからウイルス感染による喘息の急性増悪の予防薬として期待できる。24基-7:肺移植術後の気道過敏性亢進メカニズムの解明研究代表者:花崎 元彦(麻酔・集中治療医学3)<目的>肺移植術後の気道過敏性亢進メカニズムには多くの要素が関与する。肺移植術以外に周術期使用薬剤の影響も考えられる。スガマデクスは包接という新しい機序をもち喘息患者にも安全に使用可能とされるが機序不明の気管支痙攣の報告が散見される。スガマデクスと筋弛緩薬ロクロニウムによる包接体がラット気管支平滑筋収縮に与える作用を調べた。<方法>雄性Wistar系ラット(12週)から左主気管支輪状切片を作成しKrebs-Henseleit 液を含むオーガンバスに設置した。安定静止張力 (1g)を得た後に以下のプロトコルで等尺性張力を測定した。(1) 包接体(0.01μM-1mM)を累積投与した(n=6)。 (2) 2標本を用いた。アセチルコリン(ACh)(30μM)による収縮に対して一方に包接体(10 or 100μM)、他方に溶媒を与えた(n=6)。(3) 2標本を用い一方に包接体(10μM)、他方に溶媒を与えた。その後ACh(0.1μM-1mM)を累積投与した(n=6)。<結果>(1) 包接体単独では有意な収縮は見られなかった。 (2) 包接体はAChによる収縮に対して有意な影響を与えなかった。 (3) 包接体はAChの濃度反応曲線に対して有意な影響を与えなかった。<結論>包接体がラット気管支平滑筋細胞の収縮を発生、増強することはない。S58川 崎 医 学 会 誌

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