川崎医学会誌39-2
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24基-75:EBUS-TBNAを用いた気管支鏡下リンパ節生検による局所免疫応答の解析研究代表者:池田 征樹(呼吸器内科学)背景:肺癌や感染症およびリンパ増殖疾患では、多くの場合縦隔や肺門リンパ節腫大を伴う。これまでに、肺の所属リンパ節病変に対する検査として縦隔鏡や外科的肺生検が行われてきたが、近年、低侵襲のアプローチ法として超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)が行われるようになった。当院でも2010年に導入以来、年間約40件の症例を経験している。そこでEBUS-TBNAを用いた所属リンパ節の検体を詳細に比較検討することにより、各疾患における細胞生物学的免疫応答を解析する。方法:EBUS-TBNAにより採取したリンパ節組織から組織浸潤リンパ球を採取し、Phenotype (CD8、CD4、Th1、Th2、Th17、Tfh、Treg、MDSC、DC)、各種T細胞機能制御分子(PD-1、TIM-3、BTLA、2B4)をフローサイトメトリー法にて解析する。結果:健常人末梢血、あるいは肺癌患者末梢血を用いて、上記項目についてフローサイトメトリー法で解析方法を確立した。また、肺癌手術検体の腫瘍組織浸潤リンパ球(TIL)にて同様の解析を行い、PhenotypeのうちCD8、CD4、Th1、Th2、Th17、Tfh、Tregについて解析可能であることを確認している。EBUS-TBNA検体については得られる組織量が少ないため、肺癌手術検体の解析で行う組織処理や染色条件を検討した上で今後測定を予定している。24基-63:スギ・ヒノキ花粉症患者におけるスギ花粉免疫療法の有効性研究代表者:兵 行義(耳鼻咽喉科学)【はじめに】スギ花粉症の治療は現在は薬物療法が中心である。しかしその薬物療法は対象療法であり、根本的治療ではない。現在薬物療法では得ることができない長期寛解を得る唯一の治療法としてアレルゲン免疫療法が知られている。当院でも数年前から積極的にスギ花粉症患者に対して施行している。そこで、今回スギ花粉症患者におけるスギ花粉免疫療法の有効性を検討する。【対象】川崎医科大学およびその関連施設で、2012年のスギ花粉飛散ピーク時の2週間に受診した患者のうち、スギ花粉免疫療法を施行した患者48名、1週間以上前から薬剤により初期療法を行った42例、およびその期間に当科を初診し無治療であった126例に対して、日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票を用い検討を行った。【結果・考察】岡山県倉敷市における飛散量は2414.4個/cm2であり、例年と同程度の飛散量であった。JRQLQ症状スコアにおいても免疫療法は未治療群にくらべ有意に症状スコアは低かった。初期療法群と比較しても症状スコアは低い傾向であった。またQOLスコアにおいては免疫療法群では未治療群とくらべQOLスコアは低かった。つまり、スギ花粉免疫療法は有効であり、初期療法群と比較して症状を軽快していた。またヒノキ飛散時期においては多少レスキュウ薬を使用する頻度は増加をしたが、スギ飛散時期と比較し、症状の増悪はなく、スギ花粉免疫療法は花粉飛散期において有効であることが示唆された。S57
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