川崎医学会誌39-2
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24基-66:IFNγによる活性酸素産生オキシダーゼの発現解析研究代表者:栗林 太(生化学) 好中球が病原微生物等を貪食すると、細胞休止期には細胞内に存在する蛋白質が、細胞膜に移行して膜蛋白質であるシトクロームb558(p22phoxとgp91phoxのヘテロダイマー)と結合し、食細胞NADPHオキシダーゼは活性化される。この活性化型NADPHオキシダーゼは活性酸素の1種であるスーパーオキシド(O2-)を生成し、このO2-から派生した様々な活性酸素種は強力な殺菌作用を持つ。これらオキシダーゼ複合体を構成する蛋白質の1つでも遺伝的に障害されると、慢性肉芽腫症(CGD)になり、重篤な感染症を繰り返し、多くは少年期に死亡する。CGD患者にはIFNγに反応して活性酸素を生成できるタイプのCGDが存在し、重篤な感染症から逃れることができる。これまでIFNγとCGDの治療効果の詳細は分らなかった。本プロジェクト研究ではヒストンアセチルトランスフェラーゼであるGCN5が、IFNγとNADPHオキシダーゼの構成蛋白質の1つであるgp91phoxの発現に与える影響に関して解析した。まず、IFNγにより gp91phox の発現と活性酸素生成が上昇する実験を構築した。次に、その系においてIFNγとGCN5とgp91phoxの関連を調べた。24基-74:未治療肺Mycobacterium avium complex(MAC)症に対する免疫栄養療法の検討研究代表者:毛利 圭二(呼吸器内科学)【目的】肺Mycobacterium avium complex(MAC)症患者は、慢性の経過で進行し有効な治療薬のない難治性疾患である。本研究では、MAC症患者の栄養状態を把握し、そのうち2症例でn-3系多価不飽和脂肪酸含有量の多い濃厚流動食「プロシュア®」(以下プロシュア)を投与し、投与前後における栄養状態を比較し、その有用性を検討した。【対象・方法】未治療肺MAC症患者で本研究への同意が得られた13名(男性5名、女性8名、44歳~79歳)を対象とした。栄養状態の評価は、身体計測値[身長、体重、BMI、内臓脂肪面積、筋肉量、上腕周囲長(AC)、上腕三頭筋部皮下脂肪厚(TSF)、肩甲骨下端部皮下脂肪厚(SSF)]、血液検査値(Alb、プレアルブミン、EPA、DHA、Tf、CRP等)、摂取栄養量(エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、EPA、DHA等)を用いて評価した。また、プロシュア投与患者においては、プロシュア(240ml/1パック)を1日2パック投与し、栄養指標の変動を評価した。【結果・考察】身体計測結果は男女ともにBMI、皮下脂肪厚はJARD2001の値と比べ低値であったが血液検査は正常範囲であった。2症例に免疫栄養療法を施行した。1例は継続摂取不可能となり中断。1例は1ヶ月間免疫栄養療法を施行した結果、血中EPA、DHAは増加し、体重、BMI、プレアルブミン、CRPが改善傾向を示した。【結論】肺MAC症患者の栄養状態には低く、積極的な栄養療法が治療の一助になる可能性は大きいと考えられた。今後積極的に症例登録を予定している。S56川 崎 医 学 会 誌

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