川崎医学会誌39-2
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24基-85:LAMP法を用いたプラスミド性キノロン耐性遺伝子の検出法の開発研究代表者:山根 一和(公衆衛生学) 近年、キノロン系抗菌薬の耐性遺伝子がプラスミド上にコードされていることが明らかとなった。現在プラスミド性キノロン耐性遺伝子(PMQR)は4種類(qnr、aac(6’)Ib-cr、qepA、OqxAB)が知られており、これらの耐性遺伝子を保持しているか否かの検査はPCR法やreal-time PCR法などの分子生物学的方法によるものがほとんどである。これらの方法は専用の検査機器が必要であり、一般の検査室に導入することは難しい。そこで、分子生物学的手法を用いるが、特殊な検査機器を必要としない、LAMP法を用いて、PMQRを検出する系を開発した。 今回は、4種類のPMQR のうち、qepAを対象とし、Primer Explorer software、version 3を用い設計した。設計したプライマーは、63℃ 1時間でqepAを検出することができ、5コピーのプラスミドを検出することができた。またqepAを含む様々なPMQRを保持する菌株を用いて、PCR法と感度および特異度を比較した場合、LAMP法でも同等の結果が得られた。今回開発した方法は、反応温度を一定に保つための恒温槽があれば導入可能な方法であり、一般の検査室でも十分施行可能な検査法であると考えられる。24基-52:ヒトPACSIN2に結合する肺炎クラミジアタンパク質Fke034の機能解析研究代表者:三浦 公志郎(分子生物学2(遺伝学)) 偏性細胞内寄生性細菌である肺炎クラミジアは、宿主細胞内でのみ生存可能である。そのため多数のエフェクターを宿主細胞に向けて分泌していると考えられる。そこで、我々は、酵母発現系を用いた病原菌エフェクターの網羅的スクリーニングを行い、肺炎クラミジアの機能未知遺伝子から酵母増殖阻害を示す62個の遺伝子をエフェクター候補として同定した。このうち、我々はChlamydophila属に特異的なFke034に着目した。Fke034は22 kDaのタンパク質をコードし、そのC末端にはproline-rich repeatがある。Fke034-GFPを酵母及びHEp-2細胞に発現させると、その一部が細胞膜に局在した。Fke034の様々な欠損株を作成し、HEp-2内でその局在を解析したところ、Fke034が細胞膜に局在するには、蛋白質の中央部が必要であることが判明した。GST-Fke034を用いてpull-downを行った結果、Fke034に特異的に結合する約60 kDaのタンパク質を得て、これがヒトPACSIN2であると同定した。さらにHEp-2細胞内でFke034-GFPを発現させると、PACSIN2はFke034と一致して膜直下に局在するようになった。これらの結果から、Fke034がPACSIN2を膜直下局在に誘導することで、PACSIN2の機能を調節することが示唆された。S55

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