川崎医学会誌39-2
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24基-34:手術手技が血中循環腫瘍細胞に及ぼす影響に関する研究研究代表者:中田 昌男(呼吸器外科学)【目的】従来より癌患者の末梢血中に循環腫瘍細胞(CTC)が検出されることが報告されているが、外科的治療とCTCに関する研究は少ない。すべての外科的治療は侵襲を伴うため、その操作によって機械的に癌の原発巣から腫瘍細胞が遊離し循環血液内に播種する危険性が存在する。本研究は、原発性肺癌患者の手術前後のCTCを測定し、手術手技がCTCに及ぼす影響を検討することを目的とした。【対象と方法】川崎医科大学附属病院において非小細胞肺癌の根治目的で肺切除術を行う患者を対象とし、肺切除前と術直後の末梢血ならびに摘出後の肺葉標本から血液を採取しCTCを測定する。【結果】2013年5月までに3例の患者でCTCを測定したが、どの時点においてもCTCは検出されていない。【考察】10症例を目標とし、組織型・病期・手術術式などとの関連性について検討していきたい。24基-91: 大腸癌化学療法の5-FU持続点滴レジメンにおいて、5-FUのTDM(Therapeutic Drug Monitoring)によって5-FU投与量を調節する個別化医療構築のための基礎研究研究代表者:奥村 英雄(消化器外科学)はじめに:これまで5-FU系薬剤の投与量は、体表面積に基づいており、5-FUの薬物動態の個体差はまったく考慮されていない。同量の5-FU投与を受けた患者でも血中5-FU濃度に大きな個体差が生じており、有害事象の発生や非奏効の原因となっていると考えられる。また5-FU持続静注時には、血中濃度は一定で推移するという仮定の下で血行動態の測定がおこなわれてきたが、検証したデータはない。目的:大腸癌化学療法の5-FU持続点滴レジメンにおける5-FU薬物動態の個体差や個体内変動の実態調査の検討。患者・方法:大腸がんと診断され5-FU持続点滴化学療法を施行する患者を対象とし持続投与開始から15、90分3、6、9、12、18、24、32、46時間後と終了後60、90分後に採血する。抗原抗体免疫法(My-5FU)による5-FU血中濃度測定を行った。結果:現在までに6例を測定した。5-FU血中濃度は最高濃度が測定されたのは持続投与開始後46時間後が2例、32時間後が1例であり、投与開始後時間が経過した時点で認められた。血中濃度の推移は一定ではなく、推移の間に3-7倍の濃度差を認めた。考察:1.5-FU血中濃度の推移は一定ではないが、投与開始後18時間後以降に最高濃度が測定された。2.血中濃度に慨日性(circadian rhythm)変化がある可能性がある。S48川 崎 医 学 会 誌

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