川崎医学会誌39-2
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24基-62:非造影MRIによる膵外分泌機能の検討研究代表者:伊東 克能(放射線医学(画像診断1))【目的】現在、膵外分泌機能を評価しうる検査法はPFD試験のみで慢性膵炎の診断基準にも含まれている。しかしながら、PFD試験は簡便さに欠くために実施される事が少ないのが現状である。今回我々はTime-SLIP(time-spatial labeling inversion pulse)を併用した非造影MRI撮像による機能的画像評価によって非侵襲的に膵液の分泌および流れを評価することで、健常者および慢性膵炎患者での膵液分泌の画像的評価とPFD試験の結果との相関を検討し、非侵襲的かつ簡便な膵外分泌機能評価法を確立する。【方法】対象は、PFD試験を施行されている慢性膵炎患者および健常ボランィア。MRCPの手法を用いて膵管胆管合流部にTime SLIPを併用し選択的IRパルスを印加することで、関心領域内の膵液を無信号化する。関心領域に流入してくる膵液を高信号として描出し、動態イメージとして可視化。この撮像を5分間で計20回繰り返し画像評価する。PFD試験は、早朝空腹時排尿後に、BT-PABA(PFD試薬500mg)を服用。開始後6時間の全尿量から尿中PABA排泄率(%)を算出する。画像評価は、膵液の流入頻度、量、流れの方向などのデータから一定時間における分泌量または流入量を定量化しPFD試験の結果と比較評価する。【結果】慢性膵炎患者7例施行。現時点では、本法による膵液の流れとPFD試験は比例する傾向を示しているが、結果を評価できるまでの症例数に至っていない。原因はPFD試験を施行されている慢性膵炎症例が少ない事であるが、今後更に症例の蓄積と検討が必要である。24基-61: 脂肪食摂取前後での胆汁、膵液の分泌およびリンパ液の流れの変化に関する検討:Time SLIP併用非造影MRIによる評価研究代表者:山本 亮(放射線医学(画像診断1))【目的】現在、脂肪分解・吸収に関わるそれぞれの機能検査は煩雑で侵襲が強く、脂肪吸収障害の程度の評価検査はあるが、非侵襲的に一連の分解・吸収に関わる流れを評価する事はできない。今回我々は、健常者における脂肪成分の分解、吸収に関与する胆汁、膵液の分泌および吸収された脂肪が運ばれるリンパ液の流れをtime-spatial labeling inversion pulse(Time-SLIP)を併用したMRCPを用いて非侵襲的に動態イメージとして可視化する事で、健常者の脂肪食摂取前後での胆汁や膵液、リンパ液の流れの変化について評価検討を行う。【方法】対象は、健常ボランティア。MRCPを用いて膵管、胆管、乳糜槽を描出確認し、Time SLIPを併用し選択的IRパルスを印加することで、関心領域内の胆汁、膵液、リンパ液を無信号化、関心領域に流入してくる胆汁、膵液、リンパ液を高信号として描出し、動態イメージとして評価する。この撮像を5分間で計20回繰り返し、空腹時と脂肪食摂取後での流れの変化を評価する。脂肪食はテルモ社製品の栄養補助食品テルミール(脂質15g含有)を用いる。画像の評価は、胆汁、膵液およびリンパ液の流入頻度、量、流れの方向などのデータから一定時間における分泌量または流入量を定量化し、脂肪食摂取前後での変化を比較評価する。【結果】現時点で20症例施行したが、症例による結果に違いが大きく、一定の傾向が得られていない。今後は更なる症例の蓄積や検討を要する。S41
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