川崎医学会誌39-2
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24基-70: サイトカイン信号異常による関節リウマチマウスモデルgp130F759におけるPAD4の役割研究代表者:矢作 綾野(免疫学) 関節リウマチの疾患関連遺伝子Peptidylarginine deaminase type IV(padi4)の遺伝子産物PAD4はシトルリン化修飾酵素であり、関節リウマチにおける診断的自己抗体である抗CCP抗体が認識する抗原エピトープの形成に関与する可能性が示唆されている。 ノックインマウスgp130F759は、IL-6ファミリーサイトカインに共通する受容体サブユニットgp130の759番目のチロシン残基の変異のためにSTAT3の活性化が亢進してリウマチ様関節炎を自然発症する。明瞭な臨床的関節炎を認めない5か月齢の関節においてpadi4の発現が増加し、血清中に抗CCP抗体が増加することを見出した。 今回、ウェスタンブロット法により、対照野生型と比較して5か月齢のgp130F759の関節組織におけるSTAT3のチロシンリン酸化及びPAD4の増加を認めた。同時期に検出された修飾シトルリン化タンパク質はgp130F759と野生型で差はなかった。しかし関節炎が進行したgp130F759の関節組織においては修飾シトルリン化タンパク質の量と種類が変化していた。このことは5か月齢の関節組織におけるPAD4の増加によって、局所のタンパク質シトルリン化が定常状態から変化する可能性が示唆される。現在、padi4発現細胞の免疫組織学的解析とpadi4欠損/gp130F759の経過観察を進めている。24基-2:糖尿病性感覚ニューロパチーの発症機序の研究:糖尿病モデルマウスを用いて研究代表者:村上 龍文(神経内科学)[目的]われわれはストレプトゾトシン(STZ)誘発糖尿病マウスを糖尿病性ニューロパチーの痛覚鈍麻のモデルとして用いており、STZ投与6週後に足背の痛覚閾値の上昇と尾部感覚神経伝導速度の低下が、9週後に足底表皮内自由神経終末の減少が認められる。今回このマウスの神経障害発症、進展を検討した。[方法]8週齢のddyマウスにSTZを投与し糖尿病マウスを作成した。STZ投与0~9週後(8~17週齢)まで毎週尾神経で感覚神経伝導検査を施行し正常マウスと比較した。また17週齢の糖尿病マウスと正常マウス、8週齢の正常マウスで坐骨神経の有髄神経と無髄神経線維の面積、直径、密度、数、有髄神経の髄梢面積を測定した。[結果]①正常マウスでは感覚神経伝導速度は13週齢まで上昇その後定常状態となったが、糖尿病マウスでは8週齢からわずかに上昇が観察されるのみであった。②有髄神経線維と髄梢の面積は17週齢正常マウスでは8週齢正常マウスと比較すると有意な増加が認められ、17週齢糖尿病マウスと比較しても有意に増大していた。③無髄神経線維の面積は17週齢正常マウスでは8週齢正常マウスに比し増加傾向にあったが、17週齢糖尿病マウスでは両マウス群に比して有意に減少していた。[考察]STZ誘発糖尿病マウスのニューロパチーでは高血糖による無髄神経線維の選択的萎縮が認められ、有髄神経線維は成長・成熟障害が生じていた。S19
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