川崎医学会誌39-2
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24基-1: 肝腫瘤性病変の診断および肝機能の評価における肝細胞特異性造影剤(Gd-EOB-DTPA)を用いた造影MRIの有用性に関する研究:(4)研究代表者:玉田 勉(放射線医学(画像診断1))【目的】本研究テーマの一部である、肝腫瘍の病巣検出能および肝機能の評価を目的として、Gd-EOB-DTPA造影MRI肝細胞相の1)腫瘍検出能の向上を目的とした撮像条件の検討および2)肝実質の造影効果を予測する因子について検討を行う。【結果および考察】1)肝細胞相の撮像シークエンスであるQuick 3Dのflip angleを15度から30度に上げることによって肝細胞性結節の検出能が定性的および定量的評価いずれにおいても有意に改善した。さらにその検出能の向上は、多血性の肝細胞性結節ばかりでなく、小さな病変を多く含みかつ肝細胞相で様々な程度の低信号を示し検出困難な病変が多い乏血性結節に対しても認められた。2)肝細胞相の造影効果は、慢性肝疾患、 腹水および脾腫の有無とPT、総ビリルビン、アルブミン、ASTおよびコリンエステラーゼの値と有意な相関関係を示した。さらにこれらのパラメータの中で、総ビリルビンとASTが肝実質の造影効果の低下に対する有意な予測因子であった。S17

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