医学会誌43-補遺号
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研究課題名:米粉の幅広い応用に関する研究研究代表者:伊東 秀之(岡山県立大学 保健福祉学部栄養学科) 我々は、日本人好みの風味を持つ米粉麺の開発を目的として、物性データをはじめとする基礎的データを蓄積し、米粉麺製法の特許の申請を行ってきた。さらに、基礎的・応用的研究を進めているので、その結果について紹介する。 米粉麺の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した結果、うどんやそばと比べて滑らかな断面が観察された。うどんやそばでは200倍でデンプン粒が確認されたが、米粉麺ではデンプン粒を確認できなかった。しかし1万倍まで拡大すると、デンプン粒と思われる粒体が確認できた。一 方、自然薯粉末のもつ特性を利用して嗜好性を向上させた米粉麺の作製を試みた結果、自然薯粉末の少量の添加でも、米粉麺にうどんのようなコシとのどごしの良さを与えることが明らかと なった。さらに、小麦粉で作製するうどんと比較すると、エネルギー量は70%、食塩量は5%に抑えることができた。自然薯は慢性炎症予防効果を有するため、自然薯粉末入り米粉麺は高齢者の慢性炎症予防効果と嚥下困難者にも対応した機能性麺として期待できる。応用研究として、米粉を 使ったレシピの考案を行い、米粉ブラマンジェを検討した。43名の男女をパネルとする米粉またはコーンスターチを使用したブラマンジェについて比較した結果、米粉の方が総合評価で80%以上のパネルに好評であった。以上の結果、嗜好性や機能性を付加した様々な米粉主体のメニュー開発に有益な科学的基礎データを提供することができた。研究課題名:エネルギ保存を考慮した画素値分布推定手法研究代表者:尾崎 公一(岡山県立大学 情報工学部情報システム工学科) 広範囲に普及しているディジタルカメラにおいては、センサ技術の発達により、より高精細・高解像な画像を得られるようになってきている。一方で、既存データとして低解像画像が多く蓄積されており、これらを現在の技術水準である高解像画像に変換し、利用するニーズも高い。また、設備上の問題から既存設備で得られる比較的低解像な画像の活用についてもその必要性が高い。さらに、近年盛んに研究が進められている画像計測などにおいては、ハードウェアとしての撮像能力を超えたサブピクセル精度の計測が求められている。 従来の高解像化手法は、元画像である低解像画像の画素値に基づいて画素間に位置する新たな画素値を推定するものである。これに対して、我々は、低解像画像は撮影対象の一つの観測データに過ぎないものとして扱い、元の撮影対象が有するエネルギがその画素平面に累積されて保存・観測されていることを考慮した新たな画素値分布推定手法を提案している。 この提案手法は、拡大処理や斜像処理に対して、広く一般的に用いられている画素補間手法との比較実験で、画素値評価指標である SSIM値 や PSNR値において、いずれも良好な結果を得ている。本学術集会では、提案手法の概略と有効性について発表する。― 吉備地域産学官連携知的財産活用ネットワーク 加入校 ―S84川 崎 医 学 会 誌

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