医学会誌43-補遺号
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28基-39:Nrf2依存的インフラマソーム活性化は進行性腎障害の病態形成へ寄与する研究代表者:依光 大祐(総合内科学1) Nrf2は転写因子として働き抗酸化遺伝子群および抗炎症遺伝子群の発現を亢進させる。一方で自然免疫のKey mechanismであるインフラマソーム活性化にNrf2が重要な役割を果たすことが知られており、自然免疫が関わる病態でのその意義は不明である。今回、Nrf2依存的インフラマソーム活性化が進行性腎障害において炎症遷延化に寄与するとの仮説を立て、その分子メカニズム解明、および治療ターゲットとしての意義解明を試みた。【方法】使用動物は野生型マウス(WT)、Nrf2遺伝子欠損マウス(Nrf2KO)を用いた。(1)WT、Nrf2KOにUUOを行いDay14での腎内炎症線維化を比較する。(2)WT、Nrf2KO、ASCKO、GFP由来の骨髄細胞をWTに移植しUUOを行い、Day14で腎内線維化を確認する。(3)治療介入意義についてNrf2阻害作用を有するAtRA(All trans retinoic acid)を投与(Contorol群、AtRA投与群)してUUOを行い、Day14で腎内線維化を確認する。結果(1) Day14にWTと比較しNrf2KOでインフラマソーム関連遺伝子の発現が抑制され、腎内線維化が抑制された。Day7まではマクロファージの浸潤に優位な差を認めなかった。しかしDay14にNrf2KOで炎症性マクロファージ(M1)の浸潤が有意に抑制された。(2) 初代継代骨髄由来マクロファージ培養細胞で、WTと比較しNrf2KOでインフラマソームの活性化が抑制された。(3)Control群と比較して、AtRA投与群で組織学的に腎内線維化が抑制され、インフラマソーム活性化および線維化関連遺伝子がいずれも抑制された。【まとめ】Nrf2依存的なインフラマソーム活性化はM1マクロファージの浸潤を促進させることで炎症を遷延化させ、腎疾患進展に寄与する。上記内容は現在論文投稿中である。28基-86:糖鎖欠損型エンドカンの糖尿病性腎症に対する治療効果研究代表者:桑原 篤憲(総合臨床医学)【背景】エンドカンは主に肺・腎臓組織の内皮細胞で発現しているデルマタン硫酸プロテオグリカンで、血管炎症の新規マーカーとして注目されている。エンドカンはそのデルマタン硫酸糖鎖の有無が作用発現に影響する。糖鎖がVEGF、HGF等の成長因子をアンカーし、その作用増強に寄与しているとの報告がある。我々は、糖鎖型/糖鎖欠損型エンドカンの糸球体内皮細胞に対する生物学的特性の検討を行った。【方法】3-4継代した培養ヒト糸球体内皮細胞に、HEK293細胞にプラスミドを遺伝子導入して作成した糖鎖型/糖鎖欠損型エンドカンを添加し、細胞増殖アッセイ、細胞死アッセイ、血管新生アッセイを行った。【結果】糖鎖型/糖鎖欠損型エンドカンはいずれも、培養ヒト糸球体内皮細胞の増殖、細胞死、血管新生に対して影響を及ぼさなかった。VEGF添加による血管新生能の変化も糖鎖型/糖鎖欠損型エンドカンで差が無かった。エンドカン糖鎖にVEGFが結合するか、免疫沈降法で確認したが、結合は認められなかった。【結語】糸球体内皮細胞に対し、エンドカンは直接的には影響を及ぼさない。また、VEGF作用増強効果も認めない。S45

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