医学会誌42-補遺号
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27基-60:破骨細胞分化・骨代謝におけるTankyraseの役割の解明研究代表者:守田 吉孝(リウマチ・膠原病学)【目的】Tankyrase(TNKS)は、poly(ADP-ribose) polymeraseとして機能し、修飾を受ける様々な蛋白の分解を誘導する。近年、TNKSはSH3BP2蛋白の分解を誘導することが報告された。我々は、SH3BP2機能獲得変異マクロファージはRANKLへの反応性が亢進し、破骨細胞分化・機能が亢進することを明らかにしてきた。TNKSの骨代謝における役割は解明されておらず、本研究では、TNKS阻害薬の破骨細胞分化・機能に及ぼす影響について検討した。【方法】野生型マウス骨髄マクロファージを、TNKS阻害薬 (IWR-1、XAV-939) 存在下でRANKLにて刺激した。破骨細胞分化・機能をTRAP染色、定量PCR法、Resorption assayにて評価した。SH3BP2蛋白の発現をWestern blotにて解析し、NFATc1発現を免疫染色とWestern blotにより解析した。【結果】TNKS阻害薬はRANKL誘導性のTRAP陽性多核細胞形成を亢進し、破骨細胞関連遺伝子発現および骨吸収活性を有意に増強した。TNKS阻害薬により細胞内のSH3BP2蛋白は有意に増加し、核内のNFATc1発現は有意に増加していた。【結論】TNKS阻害薬によりSH3BP2発現が亢進し、破骨細胞分化・機能が亢進することが明らかとなった。TNKSは破骨細胞分化の新規調節因子と考えられた。27基-61:2光子励起顕微鏡を用いた骨組織のin vivo imaging研究代表者:向井 知之(リウマチ・膠原病学)【背景】骨組織内にはリモデリングに関わる多様な細胞が存在する。「どの細胞がいつどこで何をしているのか」という時間的・空間的な挙動を明らかにすることは骨組織内の複雑な細胞ネットワークを理解する上で大変重要である。近年「2光子励起顕微鏡」を用い生体マウスの骨組織で破骨細胞や骨細胞を可視化するin vivo imaging技術が大阪大学免疫細胞生物学教室(石井優教授)により報告された。【目的】本研究ではこのin vivo imaging技術を本学に導入すること、及び生体マウス骨組織中の細胞を可視化し、細胞の挙動をリアルタイムで解析することを目的とする。【進捗状況】大阪大学免疫細胞生物学教室で研修し、骨組織のin vivo imagingの基本的手技を習得した。同大学から、破骨細胞を蛍光標識したa3-GFPマウス(vacuolar type H+ ATPase a3サブユニットとGFPの融合蛋白をノックインしたマウス)を譲り受け、本学で繁殖を開始した。マウス繁殖後、本学に設置済みの2光子励起顕微鏡(Nikon社A1R MP+FN)を用い、マウス頭蓋骨での破骨細胞の観察を行った。マウス体動を抑制するための固定法の習得に難渋したが、現在までに破骨細胞を数時間観察することが可能となった。今後、破骨細胞の形態変化や動きの定量解析法を確立し、各種サイトカイン・薬剤が破骨細胞の挙動に及ぼす影響を解析する予定である。S32川 崎 医 学 会 誌

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